冬季練習になると、
「筋トレを中心にすべきか?」
「走り込みを増やすべきか?」
という悩みに直面する短距離選手は多いはずです。
特に10秒台〜10秒前半を目指す選手は、
筋力・スプリント技術・神経系といった多くの要素を組み合わせて伸ばす必要があります。
この記事では、100m10秒前半まで到達した僕自身の経験と、
科学的な根拠に基づいた「冬季の正しいバランス」を徹底解説します。
結論:冬季は“筋トレ中心”が最も合理的
冬季はシーズンから遠いため、
最も高い負荷のトレーニングを行うことができます。
ただし誤解しないでほしいのは、
「筋トレだけしていれば速くなる」わけではありません。
筋力トレーニング × 走り(フォーム+神経系)
この組み合わせでこそ冬季は伸びます。
冬季練習の目的は「筋力の土台作り+動作パターンの再構築」
冬季にやるべきことは大きく3つです。
① 基礎筋力・爆発力(RFD)の向上
- 地面反力を高める基礎となる
- 加速・トップスピードの向上に直結
- シーズン中は高強度の筋トレができない
② フォーム改善(神経系の再教育)
補強→走り→補強の流れで、正しい動作を身体に覚えさせる。
意識よりも“反復”で習得する方が科学的にも有効。
③ シーズン中に不足しがちな練習を冬季に詰め込む
- 高強度ウエイト
- 動きづくり
- スプリントの基礎技術
- 悪いクセのリセット
- 身体作り
冬季は「ゼロから作り直せる期間」というのが最大のメリットです。
実際の冬季メニュー(筋トレ寄り構成例)
僕が行っていた典型的な冬季練習は以下の通り。
アップ
↓
体幹・腸腰筋・中臀筋の補強(比率:2)
↓
走り:120m × 3(比率:3〜4)
↓
自重トレーニング6〜7種目(比率:4)
比率は「時間 × 疲労 × 負荷の総量」を示しており、
冬季は自然と 筋トレ:走り ≒ 6:4 になります。
補強 → 走り → 補強の意図
- 補強で刺激を与える
- 走りで“動き”に転換する
- 仕上げの補強で定着させる
この流れは神経学習的に非常に効率が良いとされています。
ウエイトトレーニング日の正しい流れ
ウエイトの日の大きなポイントは
「必ず走る」ことです。
ストレッチ
↓
ウエイト3〜5種目(比率:7〜8)
↓
軽いアップ
↓
流し(7〜8割)× 数本(比率:2〜3)
なぜウエイト後に走るのか?(科学的根拠)
① 神経系の興奮(PAP)でフォーム学習が進む
ウエイト直後は神経系が最も活性化しており、
軽いスプリントで動作学習が促進される。
② 「筋力を走りに変換する」作業だから
筋力をつけるだけではスプリント能力は伸びない。
走りを併用することで初めて競技能力に転換される。
③ 強い選手ほど必ず取り入れている習慣
全国・日本トップレベルの選手ほど例外なく
ウエイト→流しをセットにします。
実体験:筋トレ×走りの組み合わせで記録が伸びた話
僕自身も冬季に
- 高強度の筋トレ
- 補強と走りの反復
- ウエイト後の流し
を徹底することで、 - 11.2 → 10.7
- 10.7 → 10.4
まで着実にステップアップしました。
ポイントは「筋力を走りに使える形に変えたこと」
筋トレだけでも走り込みだけでも、
ここまでの伸びは絶対に出ませんでした。
冬季は“筋トレ中心”だが、走りこそ筋トレを活かす鍵
冬季の理想構成
- 筋トレ:走り ≒ 6:4(目安)
冬季の正しい戦略
- 筋力がないと速くなれない
- 走らないと筋力はスプリントに転換されない
- 冬季は両方を一番高いレベルでできる時期
まとめ:最強の冬季の考え方
筋力トレーニングが冬季の中心。
しかし、その価値を最大化するのは“走り(技術)”である。
筋トレ × スプリント × 神経系
この三角形が揃った冬季こそ、翌シーズンの伸び方が決まります。
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