冬季練習は、陸上短距離選手にとって「地味だけど一番差がつく時期」。
春〜夏の記録を左右するのは、この冬の筋トレの質にあります。
この記事では、スプリンターが冬季に行うべきおすすめ筋トレ5選を、目的別にわかりやすく紹介します。
筋肥大ではなく、「走りにつながる筋力」を作りましょう💪
目次
冬季練習の目的を理解しよう
冬季練習は「最大筋力+神経系の強化」を行う準備期間です。
ただ筋肉を大きくするだけではなく、“速く力を発揮する能力(RFD)”を高めることが大切です。
- 地面反力を高めるための“押す力”を鍛える
- フォームを安定させる“支える力”を養う
- ケガを防ぐための柔軟性と体幹の安定性を強化
つまり、**「重いものを持ち上げる力」よりも「速く動かせる力」**を重視します。
下半身を鍛える基本5種目
🏋️♂️1. バックスクワット
- 鍛える部位:大腿四頭筋・臀筋
- ポイント:膝を前に出しすぎず、股関節主導でしゃがむ
→ 地面を強く押す感覚を養える定番種目
🦵2. デッドリフト
- 鍛える部位:ハムストリングス・臀筋・背筋群
- ポイント:背中を丸めず、腰から“押し上げる”意識
→ スプリント動作に直結する“押す力”を高める
🧍♂️3. ブルガリアンスプリットスクワット
- 鍛える部位:臀筋・ハム・内転筋
- ポイント:前脚でしっかり踏み込む、左右差の修正にも◎
→ 片脚の安定性が増し、接地バランスが改善
🍑4. ヒップスラスト
- 鍛える部位:臀筋
- ポイント:膝〜肩が一直線になる位置で収縮
→ スタート局面や地面を押す動作の出力UPに効果的
⚡5. クリーン(パワークリーンでもOK)
- 鍛える部位:全身(特にハム・背中・肩)
- ポイント:重さよりも“速く引く・速く立つ”意識
→ 神経系を刺激して瞬発力を鍛える王道種目
スプリント能力を高める補助トレーニング
🔺ボックスジャンプ・デプスジャンプ
→ 着地の衝撃に耐えながらバネを作る。SSC(伸張反射)強化。
🦶シングルレッグバウンディング
→ 片脚での弾みを鍛え、接地リズムを短くする。
💥メディシンボールスロー
→ 全身を連動させて“投げる力”を爆発的に発揮。
🧩ミニハードル走
→ ピッチ(回転スピード)を改善し、神経回転を高める。
補助トレーニングは「重さ」よりも「スピード」を重視。
筋肉を“速く動かす”感覚を身につけよう。
姿勢を安定させる体幹トレーニング
🧠おすすめメニュー
- プランク(RKC式)
- デッドバグ
- パロフプレス
ポイント:
走りの安定には「固める体幹」よりも「動きながら安定する体幹」が大事。
特に骨盤・肋骨を安定させるトレーニングを取り入れると、フォームが崩れにくくなります。
週3でできる!冬季筋トレメニュー例
| 曜日 | メニュー内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 火曜 | スクワット+体幹+ジャンプ | 基礎筋力+姿勢保持 |
| 木曜 | クリーン+補助トレ+体幹 | 神経刺激+スピード出力 |
| 土曜 | デッドリフト+片脚種目+体幹 | ハム・臀筋強化+安定性 |
👉 ポイント:
- 筋トレとスプリント練習は同日に入れず、疲労を分散
- 「重い日」と「動かす日」を分けると効果的
- 神経系を鍛える日は“軽め×スピード重視”でOK
冬季練習で意識したい3つのポイント
- 重さよりスピード重視(パワー=力×速度)
- 走トレと両立して疲労を溜めない
- 1〜2ヶ月ごとに刺激を変えて神経を慣れさせない
まとめ|冬を制する者はシーズンを制す
冬季練習は、走りを磨くための「地盤づくり」。
この時期に筋トレで基礎を固めておけば、春からのスピードは確実に伸びます。
小さな積み重ねが、0.1秒の差を生む。
冬を制する者は、シーズンを制する。
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