【体験談】100m10秒前半を出した選手のリアルな冬季練習!

はじめに

「冬季練習って、結局何をしたら速くなるの?」
そう思っている短距離選手は多いのではないでしょうか。

私自身、高校・大学時代に同じような悩みを抱えていました。
毎日いろんな練習メニューを試し、顧問や先輩、トレーナーにも相談しましたが、結果はバラバラ。
「結局、何を信じて練習すればいいのか?」と迷っていました。

そんな中で、“冬季練習の本当の意味”を理解し、練習内容を根本から変えた結果、
私は100mで10秒前半を出すことができました。

この記事では、私が実際に行った冬季練習の内容をもとに、
「どうすれば速くなるのか?」「なぜそれが効果的なのか?」をわかりやすく紹介します。


目次

結局何をしたら速くなるの?

結論から言うと、速くなるためには「基礎的なトレーニング」を徹底的に積み上げることです。

ここで言う「基礎的なトレーニング」とは、

  • 走る練習(スプリント・ドリル・加速練習)
  • 筋力トレーニング(スクワット・デッドリフトなど)
  • 身体のケア・メンテナンス(ストレッチ・可動域・疲労回復)
    の3つです。

「そんなことはわかってる!」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際にタイムが伸び悩む選手ほど、この基礎を“丁寧に積み上げていない”ケースが多いです。

例えば、ミニハードル走やマーク走、ドリルなどの技術練習ばかりを重視してしまう選手がいます。
確かに技術は大事ですが、土台(筋力・姿勢・体の強さ)がない状態では技術が生きないのです。

冬季練習の本当の目的は、「速く走るための基礎体力・動作・身体のバランスを整えること」。
つまり、技術を支える“基盤”を冬の間に作ることが、春以降の記録を決めるのです。

このあとの章では、私が実際に取り入れていた「基礎作りのトレーニング」と、
それをどう段階的に行ったのかを詳しく紹介していきます。

走る練習

まず1つ目は「走る練習」についてお伝えしていきたいと思います!

どのくらい走るの?という点が気になると思います。結論から言うと、150m以上の距離を走りません!ここで驚く方は多くいると思います。
「冬季練習だから300mとか200mたくさん走るべきじゃないの?」と考えている人が多くいます。
ですが冬季練習だから走り込むという考えは少し間違いだと私は思っています。

なぜ間違いだと思うかと言うと、100mや200mを速くしたいのに、300mばかり走ったり200mを何本も走っているのって、おかしいと思いませんか?
目的は「長く走ること」ではなく「速く走ること」です。300mを全力で走ることは確かにスタミナはつきますが、100mや200mで求められる“最大スピード”や“加速力”とはまったく別の能力です。

むしろ長い距離を繰り返すことで、動きが鈍くなったり、スプリントフォームが崩れてしまうリスクもあります。
冬季こそ「スピードの質を落とさない練習」を意識すべきであり、そのために150m以内の距離を高いスピードで走ることが重要なんです。

それでは私が実際に行っていたメニューを一部教えていきたいと思います!

メニュー

練習メニュー3選

1:120m 5本 本数間の休憩12分

2:60m 2本 3セット 本数間の休憩walk セット間の休憩10分

3:スレッド走 30-40m 5本 本数間の休憩7分

① 120m × 5本(本数間休憩:12分)

目的:
スピードを維持したまま走り切る“スピード持久力”を高める。
100mを超えてもフォームを崩さず、加速〜中盤〜維持の流れを体に染み込ませるための練習です。

やり方:

  • スタートは静止姿勢から行い、前半30〜40mは「加速に集中」
  • 中盤〜後半はリラックスしながらも、ピッチとストライドを落とさずにゴールまで走り切る
  • 1本ごとに12分しっかり休むことで、毎回ほぼ全力で走れる状態を作る

ポイント:
「5本全部を同じスピード感で走る」ことが重要です。
中途半端な疲労のまま続けると、動きが鈍くなりフォームの質が落ちてしまいます。
1本1本を「レースのつもり」で走る意識を持ちましょう。

効果:
100m・200mレース後半での「粘り強いスピード維持」が身につきます。
特に200m後半で失速しやすい選手にはおすすめです。


② 60m × 2本 × 3セット

(本数間休憩:歩き、セット間休憩:10分)

目的:
スタート〜加速区間の“爆発的な出力”と“スピード維持力”の両方を鍛える。

やり方:

  • 1本目:フォームを意識して6〜7割の力でリズムを作る
  • 2本目:全力で加速。60mの中で「加速し続ける」感覚を大事にする
  • 各セット間は10分休憩を取り、フォーム・動きの感覚をリセット
  • 本数間はウォーク休憩にすることで、完全回復させず「疲労下でのスピード維持」を狙う

ポイント:
「1本目→2本目」の落差を小さく保つことが重要です。
疲労しても同じスピードを維持できるように、出力の安定性を意識しましょう。

効果:
60m以内の加速技術が向上し、100mの前半区間(0〜60m)のスピードが明らかに上がります。
さらに、レース後半でスピードを保つ“神経的な粘り”も鍛えられます。


③ スレッド走 30〜40m × 5本(本数間休憩:7分)

目的:
スタートダッシュに必要な“地面への力の伝え方(押し出し)”を身につける。
加速局面を支えるパワーと力発揮の角度を整える練習。

やり方:

  • 負荷は体重の10〜20%程度(例:体重70kgなら7〜14kg前後)
  • 距離は30〜40m。短くても「1歩1歩を押し出す」感覚を意識
  • 背中をまっすぐに保ち、骨盤を前に出すように力を伝える
  • 本数間の休憩は7分。フォームを崩さず、1本ごとに全力で

ポイント:
負荷を重くしすぎるとピッチが落ちて“走り”ではなく“押す動作”になってしまいます。
軽めの負荷で、あくまで「速く押し出す」意識を大切に。

効果:
スタート直後の加速力が大幅に上がります。
また、ハムストリングや臀筋の連動が改善され、地面を押す効率も向上します。


💨走る練習まとめ

これら3つのメニューは、「冬季でもスピードの質を落とさない」ことを目的としています。
長距離を走り込むのではなく、“短距離でも高強度で走る”ことで、
100m・200mのレースに必要なスピードとフォームを維持・強化できます。

筋力トレーニング(ウェイト)

次に、冬季で欠かせないのが「筋力トレーニング」です。
スプリント動作の基礎は“地面を強く・速く押す”こと。
そのためには、下半身・体幹・全身の連動を高めるウェイトトレーニングが不可欠です。

ここでは、私が特に重視していた4種目を紹介します。


① ブルガリアンスクワット

目的: 片脚での安定性と地面を押す力を高める。

ポイント:

  • 背中を丸めず、胸を張って下ろす
  • 膝がつま先より前に出すぎないよう注意
  • 前脚で地面を押し出す感覚を意識

効果:
加速局面や地面接地時の“片脚支持”が安定し、ブレの少ないフォームになる。


② クリーン

目的: 瞬発力と地面反力の伝達スピードを高める。

ポイント:

  • 腰と膝を同時に伸ばしながらバーを引き上げる
  • 背中を丸めず、素早くキャッチする
  • 軽めの重量で「速く動く」意識を持つ

効果:
スタートの爆発的なパワー発揮に直結。
100m前半の“出足の鋭さ”を引き上げる。


③ レッグカール

目的: ハムストリングスを集中的に鍛え、脚の引き戻しスピードを上げる。

ポイント:

  • フルレンジ(伸ばし切り・引き切り)を意識
  • 反動を使わず、ゆっくりとコントロールする

効果:
脚の回転スピードとストライド維持力が向上。
ハムストリングのケガ予防にもつながる。


④ ベンチプレス

目的: 上半身の安定と、腕振りの出力向上。

ポイント:

  • 胸を張り、バーをみぞおちの位置に下ろす
  • 肩甲骨を寄せて、体幹と連動させる

効果:
力強い腕振りでスプリントのリズムが安定。
“上半身で下半身の動きを引き出す”感覚がつかめる。

🧩 筋力トレーニングのまとめ

冬季に筋力トレーニングを行う最大の目的は、「速く走るための土台づくり」です。
単に重い重量を持ち上げることが目的ではなく、
「走りにつながる動作」を意識して行うことが大切。

  • ブルガリアンスクワットで片脚の安定と地面を押す力を強化
  • クリーンで爆発的パワーを育て
  • レッグカールで脚の回転スピードを高め
  • ベンチプレスで腕振りの力を支える

この4種目を軸に、フォームを崩さず「動きの質」にこだわって積み上げていくことが、
春以降のスプリント力を確実に変えてくれます。


身体のケア・メンテナンス

最後に忘れてはいけないのが「ケア」です。
冬季は疲労が溜まりやすく、筋トレやスプリントの質を落とす原因にもなります。

ここでは、毎日10分でできるシンプルなケアを紹介します。


① ストレッチ(練習後・寝る前)

太もも前後・お尻・ふくらはぎを中心にゆっくり伸ばす。
反動をつけず、30秒〜1分キープ。

→ 疲労回復とケガ予防、筋肉の柔軟性アップに効果的。


② フォームローラー(マッサージ)

練習後に太もも・ふくらはぎ・背中をローラーで転がす。
硬くなった筋肉をほぐし、血流を促進。

→ 翌日の動きが軽くなり、練習効率が上がる。


③ 温冷交代浴(風呂でOK)

お湯(40℃前後)1〜2分 → 冷水10秒 を3〜5セット繰り返す。
筋肉の血流が良くなり、疲労物質を早く排出できる。

→ 特に脚の張りや重さが抜けやすくなる。

💡 身体のケアのまとめ

ケアは“練習を頑張るための準備”であり、“次の日の練習を良い状態で迎えるための投資”です。

ストレッチ・フォームローラー・温冷交代浴の3つを取り入れるだけで、
翌日の動きの軽さや疲労感がまったく違ってきます。

特に冬季は筋トレとスプリントの負荷が高くなるため、
「練習=刺激」「ケア=回復」の両方をセットで考えることが大切です。
ケアを“練習の一部”として習慣化できる選手が、最終的に結果を残します。


全体まとめ

冬季練習は「走り込みの時期」ではなく、“速くなるための土台作りの時期”です。

  • 「走る練習」でスピードの質を維持
  • 「筋力トレーニング」で地面反力を高め
  • 「身体のケア」で疲労をリセット

この3つを丁寧に積み重ねることで、春にはまったく別の自分に出会えるはずです。
私は大きく変わって全国大会入賞などもできました!

“速く走るための冬”を、今日から作っていきましょう!

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