冬季練習になると、
「インターバルは何m走ればいい?」「本数や休憩ってどう設定するの?」
と悩む短距離選手は多いのではないでしょうか。
僕自身、高校・大学と一人で練習することが多く、
冬のインターバル走の「正解」を探し続けてきました。
さまざまなメニューを試した結果、
100mを速くするための正しいインターバル走
そして
200m・400mで必要なインターバル走
の違いが明確に分かってきたので、お伝えします。
結論:100mで速くなりたいなら150m以上のインターバル走は必須ではない
まず最初に強く伝えたいのがこれです。
100m選手が冬季に150m以上のインターバル走を大量にやる必要はない。
これは経験だけではなく、
スプリント科学の研究 と
世界のトップスプリンターの冬季メニュー
の両方から見ても正しいアプローチです。
なぜ100m選手は150m以上のインターバルが不要なのか?
理由はシンプルで、
「高強度スプリント」と「乳酸トレーニング」を両立できる限界距離が150mだから。
200mや300mになると、
100mの動きに必要な要素が失われてしまいます。
❌ 150mを超えると起きやすい現象
- 動作スピードの低下
- 接地時間が増え、反発が弱くなる
- フォームが「省エネ型」に変化する
- 膝が落ち、ストライドが縮む
- 神経系の発火頻度が落ちる
つまり、 100mの“高速スプリント”とは別物の走りになる のです。
100m選手の冬季に最適なインターバル例(科学的に妥当)
■ 120m × 5本(強度85〜90%)
休憩:12分
これが最も無難で効果が高い代表的メニューです。
ポイントは「強度」と「休憩」。
休憩10〜15分が必要な科学的根拠
短距離のインターバルは、
“疲労を残しすぎるとスプリント技術が壊れる”
という特徴があります。
そのため、
長めの休息はむしろ正しい のです。
🔬 科学的根拠
- 乳酸がピークを越えて下がり始めるのは 7〜10分
- PCr(瞬発系エネルギー)は 8〜10分で約95%回復
- 最大スプリント能力の再現には 10〜15分必要
つまり、
休息3〜5分のインターバルは中距離の練習であり、短距離向けではない。
冬季でもスプリントの「質」を落としてはいけません。
冬季に長距離化する“走り込み”は100m選手にとって逆効果
100mが速くなるために必要な要素は…
- 20〜80mの加速力
- 最高速度の高さ
- 最高速度を維持する能力(100〜120m相当)
これらはすべて 高速スプリント技術 に依存します。 しかし、400m系の走り込みは
- 反発が弱くなる
- 接地が長くなる
- 無意識に“省エネフォーム”に変化する
など、100mの能力をむしろ破壊してしまいます。
よって…
400m以上の長距離系インターバルは100m選手には不要です。
では、200m・400m選手にはなぜ150m以上のインターバルが必要なのか?
ここが多くの選手が誤解しているポイントです。
🔥 200m選手が150m以上を必要とする理由
200mは
- スピード能力(前半)
- 乳酸耐性(後半)
- 特殊持久力(Special Endurance)
が同時に必要な種目です。
特に150〜250mは
「Special Endurance 1(SE1)」 と呼ばれる領域で、
200mの後半を決める重要なゾーン。
✔ 180m
✔ 200m
✔ 250m
これらを高強度で走ることで、
後半60〜80mの粘りが大きく向上します。
世界の200m選手が必ず冬季に200m×2〜3本をするのはこのためです。
🔥 400m選手は150m以上どころか“300〜450m”が主役
400mで最も重要なのは
「Special Endurance 2(SE2)」
= 250〜450mの高強度走
これは
- 筋持久力
- 乳酸耐性
- 心肺能力
- 400m特有のフォーム維持
を鍛えるために絶対必要です。
代表例
- 300m × 3(高強度、休息18〜25分)
- 350m + 150m(セット)
- 450m × 1〜2(85〜90%)
これが無いと、 400mの後半は耐えられません。
まとめ:目的でインターバル走を変えよう
| 種目 | 推奨インターバル距離 | 理由 |
|---|---|---|
| 100m | 80〜150m中心(200m以上は不要) | 高速技術の維持・乳酸負荷の両立が150mまでだから |
| 200m | 150〜250mが必須 | SE1が後半の勝負を決めるため |
| 400m | 250〜450mが主役 | 長い距離での乳酸・心肺・特殊持久力が必要 |
最後に
冬季は「量」ではなく、
自分の種目に合ったインターバル走を選ぶこと が最も大事です。
正しい距離設定と休息を理解すれば、
冬季にスピードを落とすことなく、
春に自己ベストを狙える状態を作ることができます。
コメント