はじめに
肉離れをしてしまったとき、「どう対処すれば良いのかわからない」という方は多いと思います。僕自身も、様々な大会で結果を残していた時期に肉離れを起こし、約1年間もパフォーマンスが戻らなかった経験があります。
その経験から、今回は**医学的根拠+実体験にもとづく「肉離れの正しい対処法」をお伝えします。
目次
発症から72時間以内にやるべきこと(急性期)
絶対にやってはいけないこと
- 走る
- ストレッチする
- 強く揉む
→ これらは炎症や損傷を拡大させるため、スポーツ医学的に禁忌です。
アイシング(Ice)
- 20分冷却 → 40分休む を繰り返す
- バリア(タオル)越しに冷却
- 発症〜72時間は熱感があるため冷却が最適
急性期の筋損傷は血管拡張・内出血が進むため、冷却で血流を抑えることは標準治療(スポーツ外傷学)。
圧迫(Compression)
- テーピング・弾性包帯で軽い圧迫
- 強すぎると血行障害のリスクがあるので注意
安静(Rest)
- 痛みの出る動作は全て禁止
- 歩く際も可動域を広げようとしない
- 短距離選手はハムストリングの損傷が特に多い
挙上(Elevation)
- 心臓より高い位置に脚を置き、腫れを軽減させる
発症から72時間以降の対処法(亜急性期)
温める方向へ切り替える
- シャワー・入浴で血流を促進
- 温熱パックも有効
筋修復の後半では血流改善が治癒を促進することが、運動器リハビリテーション研究で示されています。
軽いマッサージ(痛みゼロの範囲で)
- 皮膚をなでる程度
- ゴリゴリ押すのは逆効果(内出血や炎症の再発)
痛みが引いてきたらやるべきこと(回復期)
軽いストレッチ
- 痛み0〜10のうち「3以下」まで
- ゆっくり伸ばすだけでOK
- 無理に伸ばすと再発率が上がる
筋力トレーニングの再開(段階的に)
① 等尺性(アイソメトリック)
- 動かさずに力だけ入れる練習(例:ハムに軽く押し返す)
② 等張性(痛みゼロになったら軽い筋トレ)
- ブリッジ系などからスタート
短距離選手向け・復帰の目安
① 歩行で痛みゼロ
→ 最低限の条件です。
② ジョグ10〜15分で痛みゼロ
→ 違和感があれば絶対に進まないこと。
③ 流し(50〜70%)で痛みゼロ
→ 2〜3日かけて徐々に上げていく。
④ 80〜90%で痛みゼロ
→ 最も再発の多いスピードゾーン。慎重に。←僕もこの辺りで再発した経験あり。
⑤ 全力走に復帰
- 軽度:2〜3週間
- 中程度:4〜6週間
肉離れで絶対にやってはいけないこと
急性期(発症から72時間)
- ストレッチ
- マッサージ
- 温める
- 走る・跳ぶ
回復期でもNG
- 違和感をごまかして走る
- “軽い痛みだから大丈夫” と判断して加速走
→ 肉離れは70〜90%のスピード域で最も再発することが研究で分かっています。
医療機関へ行くべきケース
- ブチッとした断裂音がした
- 歩行困難
- 触るとへこみがある
- 内出血が広範囲
→ 中〜重度筋損傷の可能性大
まとめ
肉離れは、最初の72時間の処置で治り方が大きく変わるケガです。
短距離選手は特に再発率が高いため、段階を飛ばして走るのは非常に危険です。
僕自身の経験が、同じように悩む方の助けになれば嬉しいです。
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