100m10.4秒台が考える「冬季練習中の走り込み」について
冬季練習が始まると、
「どれくらい走れば良いの?」
「冬は走り込みが大事?」
と悩む短距離選手は多いと思います。
特にありがちなのが、
「とりあえず300mを走っておけば冬季っぽい」
という考え方。
しかし、100m10.4秒台の僕の結論は明確です。
100m選手は150m以上の走り込みは必須ではない
100mという競技に必要な能力を考えると、
150m以上を走る理由はほとんどありません。
もちろん200mや300mを完全に否定するわけではありませんが、
100mの“速さ”を伸ばす目的に対しては、効果が薄いケースが多いです。
理由はシンプルで、
- 100mに必要な加速・トップスピード・技術維持と
- 長距離的な走り込みで得られる能力
が一致しないからです。
冬季練習の目的は「100mで速くなること」
冬季練習の本質的な目的は、
100mを速くするための土台づくり です。
では、100mで速くなるために300mばかり走っていて意味があるのか?
と聞かれると、僕は 「ない」 と答えます。
100mは
- 加速力
- トップスピード
- その維持(後半の失速を最小限にする技術)
この3つで構成されています。
つまり、
“持久走的な走り込み” は100mでは最も優先度が低い のです。
冬季に何を中心に走り込むべきか?
僕が冬季に走り込みで意識しているのは、次の2点です。
① トップスピード向上を意識する(スレッド走・60mスプリント)
トップスピードの高さは100m全体のタイムに強く影響します。
- 中盤の伸び
- 終盤のスピード維持
- ストライドの安定
これら全てがトップスピードに連動しています。
そのため冬季でも欠かさないのが以下の2つ。
■ スレッド走(抵抗スプリント)
目的:地面反力・加速の質を上げる
→ 重さを調整し、フォームが崩れない範囲で行うのがポイント。
■ 60mスプリント
目的:加速〜トップスピードの動きを冬季でも維持する
→ 速さの感覚を失わないことが春の伸びにつながる。
② 後半の失速をなくす体づくり(120mなどで技術維持)
100mの後半で失速する原因は、
「体力」ではなく 技術の乱れ であることが多いです。
- 姿勢の維持
- 腕振りの継続
- 接地位置の安定
- 上体のブレを抑える
これらを鍛えるには、スプリント動作を保ったまま走れる距離が効果的です。
■ 120mのスプリント(流れを保つ)
目的:疲労下でもフォームが崩れない身体を作る
→ 100mの後半で起こりがちな技術の崩れを矯正できる。
意図は“持久走”ではなく、
スプリント技術を保つための走り込み です。
冬季に大切なのは「自己満足で走らないこと」
冬季はとにかく本数を増やして満足しがちなシーズンですが、
短距離選手が意識すべきなのは、
- 何の目的で走るのか
- どの能力を鍛えているのか
- 100mにつながる動きになっているか
この3つだけです。
走る“量”ではなく、
走る“理由”と“質” が冬季の差を生みます。
まとめ
- 100m選手に150m以上の走り込みは必須ではない
- 冬季の目的は「100mを速くする」こと
- トップスピード向上には
→ スレッド走・60mスプリント - 後半の失速対策には
→ 120mなどフォームを保てる距離が有効 - 冬季は自己満足で走らず、目的に合わせて練習することが最重要
冬季は最も差がつく時期です。
だからこそ、必要な能力に絞って丁寧に積み重ねることが、
春に100mを伸ばすための近道だと思います。
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