100m10秒台は多くの人の目標の1つだと思います。ですがどうすれば100mが速くなるのか、どこを鍛えたらいいのか、そんな悩みも多いはずです。そんな悩みに100m10.4秒台で走りU20日本4位という成績を残した私が、この記事で具体的にどの部位を鍛えることによって100mが速くなるのか紹介します!
それでは今回は100mで1番と言っていいほど重要な「大臀筋」についてここを鍛えるとなぜ100mが速くなるのか説明していきます!
大臀筋とは
まず大臀筋とは下記の画像に記されているお尻の筋肉で、股関節伸展の主働筋で、人体で最も大きく出力能力が高い筋肉です。そして「速く・強く地面を押す動作」において活動する筋肉であり100mの速さに大きく影響する筋肉でもあります。

ではなぜ「大臀筋」を鍛えることで100mが速くなるのかという点について解説していきます!
まず「大臀筋」を鍛えることで大きく4つの効果があります。
- 推進力の向上
- 接地時間の短縮
- 骨盤・体幹の安定
- ハムストリングスの負担を軽減
この4つの効果がどのように100mで発揮されるかを各効果ずつに分けて説明していきます。
推進力の向上
大臀筋は「100mを速く走るための最大のエンジン」
短距離100mを速く走るために最も重要な要素の一つが、推進力です。100m走では脚を速く回すことよりも、接地中に地面をどれだけ強く後方へ押せるかがタイムを大きく左右します。実際、10秒台で走る短距離選手ほど、地面を「強く・後方へ」押す能力に優れています。
走動作では、地面に力を加えることで地面反力が生じ、その反作用として身体が前方へ押し出されます。この地面反力のうち、100m走のスピード向上に直接関与するのが水平方向の地面反力です。そして、この水平方向の地面反力を最も効率よく生み出す筋が、大臀筋です。
なぜ大臀筋が100mの推進力を左右するのか
大臀筋が短距離100mの推進力に深く関与する理由は、次の3点に集約されます。
- 股関節伸展の主働筋であること
100m走のスタートから加速局面では、股関節の伸展動作が推進力の中心になります。特に10秒台を狙うレベルでは、膝よりも股関節主導の動作が重要になります。 - 人体最大級の筋断面積を持ち、10秒台に必要な大きな力を発揮できること
大臀筋は短距離走に必要な「短時間で大きな力を出す」という条件を満たす筋肉です。100mを10秒台で走る選手ほど、大臀筋の出力が高い傾向があります。 - 前傾姿勢のスプリント動作と相性が良いこと
スタート直後から加速局面では体幹が前傾し、股関節は深く屈曲します。大臀筋はこの姿勢から力を発揮しやすく、100m走特有のフォームに適しています。
スタート〜加速局面での大臀筋の役割(100mの前半)
短距離100mでは、スタート直後から30〜40m付近までが加速局面となります。この区間でどれだけスムーズにスピードを立ち上げられるかが、10秒台到達の大きな鍵になります。
この局面で大臀筋が強く働くことで、
- 地面を後方へ押す力が大きくなる
- 地面反力の水平方向成分が増える
- 一歩ごとの加速効率が高まる
といった効果が生まれます。結果として、スタートダッシュが鋭くなり、100m前半でスピードに乗りやすくなります。
大臀筋が使えていないと100mは伸びない
大臀筋が十分に使えていない場合、100m走では次のような問題が起こりやすくなります。
- 股関節主導ではなく、膝主導の走りになる
- 地面反力が後方ではなく上方向に逃げる
- 力を出している感覚はあるが、スピードが出ない
この状態では、上下動が大きくなり、エネルギーを消耗する割に前へ進めません。結果として、100mのスタートや加速が伸びず、10秒台の壁を越えにくくなります。
100mを10秒台で走るための推進力の本質
短距離100mで推進力を高める本質は、膝を強く伸ばすことではなく、股関節を中心に身体全体を前へ押し出すことです。その役割を担う最大の筋が大臀筋であり、100mを速く走るための「最大のエンジン」と言われる理由でもあります。
接地時間の短縮
短距離100mでは「短時間でどれだけ力を出せるか」がスピードを決める
短距離100mにおいて、スピードが高くなるほど接地時間は短くなるという明確な特徴があります。特にトップスピード局面では、接地時間は約0.1秒前後とされており、この一瞬の中でどれだけ大きな地面反力を発揮できるかが、100mの最高速度や10秒台到達を左右します。
多くの選手が「脚を速く回すこと」に意識を向けがちですが、10秒台で走る短距離選手ほど、短い接地時間の中で大きな力を発揮する能力に優れています。接地時間の短縮は、単に足を素早く離地させることではなく、「力の立ち上がりの速さ」と「力の大きさ」が両立して初めて成立します。
接地時間が短い短距離選手の特徴(100m10秒台レベル)
接地時間が短く、スピードの出る短距離選手には、共通した特徴があります。
- 接地中の力の立ち上がりが非常に速い
接地直後から一気に地面へ力を伝え、反発を得ることができる。 - 離地までの動作がスムーズ
無駄な沈み込みやブレーキ動作がなく、次の一歩へ素早く移行できる。 - 地面反力が大きい
短時間でも十分な反力を得られるため、スピードが維持・向上する。
これらの特徴は、脚の回転速度だけでなく、股関節を中心とした力発揮によって生み出されています。
なぜ大臀筋が接地時間短縮に直結するのか
大臀筋は、短距離100mにおいて「大きな力を出せる筋」であると同時に、瞬間的に高出力を発揮できる筋です。この性質が、接地時間短縮に直接関与します。
接地中に大臀筋が素早く強く収縮すると、
- 股関節が一気に伸展する
- 地面反力が急速に立ち上がる
- 必要な力を短時間で出し切れる
という流れが生まれます。これにより、接地時間が長引くことなく、短い接地時間でも十分な推進力を確保することができます。
特に100m走の最高速度局面では、接地中に力を「溜める」余裕はありません。大臀筋による瞬間的な股関節伸展が、トップスピード維持の鍵となります。
「脚を速く回す」意識だけでは接地は短くならない
接地時間を短くしようとして、脚を速く回すことだけを意識すると、逆に次のような問題が起こりやすくなります。
- 接地中に力が分散し、地面反力が小さくなる
- 膝や足首主導の動作になり、沈み込みが増える
- 接地時間は短くなっても、スピードが上がらない
このような走りでは、見た目は回転が速くても、100mのタイム向上や10秒台到達にはつながりにくくなります。
一方で、大臀筋を中心とした股関節主導のスプリント動作ができると、
- 短い接地時間でも十分な地面反力を得られる
- 推進力を維持したまま素早く離地できる
- 最高速度が落ちにくくなる
といった効果が生まれ、結果として短距離100mのスピードが向上します。
接地時間短縮の本質(100m10秒台への視点)
短距離100mで接地時間を短縮する本質は、**素早く脚を離すことではなく、「短時間で大きな力を出せる身体を作ること」**です。その中心となる筋が大臀筋であり、10秒台で走る選手ほど、この能力に優れています。
骨盤・体幹の安定
10秒台で走るために欠かせない「フォームの土台」
短距離100mで安定してスピードを発揮するためには、推進力や接地時間だけでなく、骨盤と体幹の安定性が不可欠です。特に10秒台で走るレベルになると、わずかなフォームの乱れがスピード低下に直結します。
スプリントは片脚支持の連続動作であり、接地のたびに大きな地面反力が身体に加わります。このとき、骨盤や体幹が不安定だと、下半身で生み出した力が上下動や左右動揺に逃げてしまい、前方への推進力が低下します。
大臀筋が骨盤・体幹を安定させる理由
大臀筋は股関節を動かす筋であると同時に、骨盤を後方から支える安定筋としての役割も担っています。短距離100mにおいて、大臀筋が適切に働くことで、次のような安定性が生まれます。
- 骨盤の過度な前傾を抑制する
- 左右の骨盤のブレを防ぐ
- 体幹の過剰な回旋や上下動を抑える
特に支持脚側の大臀筋が機能することで、片脚支持中でも骨盤が安定し、身体の軸が崩れにくくなります。これにより、地面反力を効率よく前方へ伝えることが可能になります。
骨盤が安定すると100mのスピードはどう変わるか
骨盤と体幹が安定すると、短距離100mでは次のような変化が起こります。
- 接地中に身体がブレにくくなる
- ストライドが安定し、再現性が高まる
- 上下動が減り、エネルギーロスが少なくなる
10秒台で走る選手ほど、フォームが大きく崩れず、加速から最高速度まで一貫した姿勢を保っています。その背景には、大臀筋による骨盤・体幹の安定があります。
大臀筋が弱いと起こりやすい問題
大臀筋が十分に使えていない場合、短距離100mでは次のような問題が生じやすくなります。
- 骨盤が前傾しすぎて腰が落ちる
- 左右のブレが大きくなり、接地が不安定になる
- 推進力が分散し、スピードが伸びにくい
これらはフォームの問題に見えますが、根本的には大臀筋の機能不足が関係しているケースが多く見られます。
ハムストリングスの負担を軽減(怪我予防)
100mを走り続けるためのケガ予防と安定性
短距離100mにおいて、ハムストリングスは非常に重要な筋肉ですが、同時に肉離れなどのケガが最も多い部位でもあります。特に10秒台を狙うレベルでは、スプリント強度が高くなる分、ハムストリングスへの負担も大きくなります。
スプリント動作では、遊脚後期から接地初期にかけて、ハムストリングスに強い伸張性収縮がかかります。この局面は、100mで最もケガが起こりやすいタイミングでもあります。
大臀筋とハムストリングスの役割分担
本来、股関節伸展の主役は大臀筋であり、ハムストリングスは補助的な役割を担います。しかし、大臀筋が十分に機能していない場合、その役割をハムストリングスが代償的に担うことになります。
その結果、
- ハムストリングスへの負担が過剰になる
- 伸張ストレスが増大する
- 肉離れや再発リスクが高まる
といった問題が起こりやすくなります。
大臀筋が働くことで得られるメリット(100m10秒台)
大臀筋が適切に機能すると、短距離100mでは次のような効果が得られます。
- 股関節伸展の主役を大臀筋が担う
- ハムストリングスへの負担が分散される
- 高強度スプリントでも安定した走りが可能になる
10秒台で走る選手ほど、大臀筋とハムストリングスの役割分担が明確で、ハムストリングスに過剰な負担をかけない走りができています。
ケガ予防とパフォーマンス向上は同時に起こる
大臀筋の強化は、単なるケガ予防にとどまりません。推進力・接地時間・骨盤安定性が同時に向上することで、
- スピードが落ちにくくなる
- シーズンを通して安定したパフォーマンスを維持できる
- 高強度練習を継続しやすくなる
といった、競技力向上に直結する効果も得られます。
まとめ|100mで10秒台を目指すなら大臀筋は避けて通れない
短距離100mにおいて、タイムを伸ばすために重要なのは、単に脚を速く動かすことではありません。接地中にどれだけ強く、効率よく地面を後方へ押せるか、そしてその力をロスなくスピードへ変換できるかが重要です。
その中心となる筋肉が、大臀筋です。
本記事で解説したように、大臀筋は
- 推進力を生み出す最大のエンジン
- 接地時間を短縮し、トップスピードを高める筋
- 骨盤・体幹を安定させ、フォームを支える土台
- ハムストリングスの負担を軽減し、ケガを防ぐ調整役
という、短距離100mにおいて極めて重要な役割を担っています。
100mを10秒台で走る選手ほど、これらの要素を無意識のうちに高いレベルで満たしています。逆に言えば、10秒台に届かない原因の多くは、大臀筋が十分に使えていない、または鍛えられていないことにあります。
大臀筋を鍛えることは、単なる筋力アップではなく、
スプリント動作そのものの質を高めることにつながります。
100mを本気で速くなりたい、10秒台を目指したいと考えている人は、ぜひ一度、自分の走りの中で「大臀筋が使えているか」という視点を持ってみてください。
⬇️下記の記事では私自身が大臀筋を鍛えるために行った「ブルガリアンスクワット」についてやり方など説明しているので10秒台になりたい人や今まで以上にタイムを伸ばしたい方は是非見てください!
コメント